今回は、iPhone7のリンゴループの状態でした。
リンゴループは、電源を入れた時に画面の真ん中にでるリンゴマークが、点滅や点灯したままで起動ができない状態のことです。
今回のiPhone7は、長い期間、使わずに保管していて、久しぶりに電源を入れようとしたら電源が入らなくなっていたようです。
起動ができない状態で充電をしてみようと充電器を挿すと充電ができず、充電器を挿している間だけリンゴマークが点滅するという状態でした。
バッテリーが完全に電気を溜める能力を失い、基板がバッテリーを認識できない時にこのような症状が出ます。
このことからバッテリー完全劣化(故障)での起動不良の可能性が高いです。
他には、基板故障でバッテリーを認識できない時は同じような症状になるので、バッテリーを仮付けして起動ができるかを確認して、バッテリーが原因ならバッテリー交換、バッテリーを取り付けても症状が改善されなければ基板故障の可能性となります。
電源が入らない起動不良のiPhone7です。
充電器を挿してみます。
充電器を挿すとリンゴマークが出ました。
通常バッテリーの残量が0%の場合、充電器を挿すと乾電池のマークが出て充電が始まります。
今回の場合は、充電器のマークが出ずに、リンゴマークの点滅が始まりました。
リンゴマークの点滅でも急に充電ができるようになることもあるため、リンゴループのまま5分ほど待ちました。
それでもリンゴループのままだったので、分解作業に入ります。
画面を開きました。
バッテリーは少し変形をして通常より大きくなっているのが確認できました。
本体上にある水没シールは白いままで水没反応は出ていません。
白いシールは水に濡れると赤くなります。
バッテリーコネクタを外すためバッテリーコネクタと液晶コネクタを押さえているプレートを取り外します。
バッテリーコネクタを外したら、バッテリーを取り外さずに新しいバッテリーで起動ができるかを確認したいので、邪魔にならないようにバッテリーコネクタを少し丸めます。
今あるバッテリーの上に新しいバッテリーを乗せて新しいバッテリーコネクタを差し込みます。
上から重ねているのでバッテリーコネクタが抜けないようにしながら電源を入れます。
バッテリー仮付け状態で電源を入れたところリンゴマークが表示されました。
起動できるまで待ちます。
少し待つと正常に電源が入りました。
パスコードロックの表示が出ているということはデータもそのままで以前のまま復帰できます。
起動確認ができたのでバッテリーを取り外して新しいバッテリーに交換します。
バッテリー下から両面テープを2本引き抜くとバッテリーを取り外すことができます。
今回は普通に使えるようになれば良いというご依頼から耐水テープは交換しないので、画面は取り外さないでバッテリー交換作業を進めています。
新しいバッテリーに専用の両面テープを貼り付けて本体に取り付けます。
バッテリーテープのつまみのところも折り曲げて同じような状態にします。
新しいバッテリーを本体に貼り付けてコネクタを差し込んだらコネクタを押さえているプレートを取り付けます。
プレートを取り付けたら液晶ケーブルを挟まないように注意して画面を閉じます。
組み込んで動作確認で問題なければバッテリー交換完了です。
リンゴループの原因はバッテリーでした。
気体で大きく膨張することがありますが、今回のものは全体的に少し大きくなっている状態でした。
バッテリーを確認すると角が裂けているのが分かりました。
リンゴループの原因はバッテリーですが、大きく膨張しても普通に使用できることがほとんどです。
起動ができなくても充電器を挿すと乾電池のマークが出て乾電池のマークから起動ができないこともあります。
今回のものは角が裂けてバッテリー劣化ではなく、バッテリー破損で基板がバッテリーを認識できなくなってエラーが起き、リンゴループになった可能性があります。
充電器を挿した時だけリンゴループになるのは、充電器を挿していないときは、バッテリーからの電力がないため、まったく起動ができないからです。
バッテリーが原因でのリンゴループは少ないです。
リンゴループの時は、ソフトウェアの障害や各部品故障、基板故障で起きるのでリンゴループの原因を特定するのは一つ一つ確認しながら作業を行う必要があります。
リンゴループだからバッテリーが原因と思うのは危険です。
ネットなどの情報は慎重に確かめて、修理店に相談するのが安心です。
こちらの記事も参考程度にしていただき、ご自身での修理はご自身の責任で端末故障やおケガなど十分ご注意ください。