夏場はスマホの水濡れトラブルが多くなります。
プールや川遊び、雨などの一般的な水濡れから、ランニング中の汗がスマホ本体内に侵入して故障してしまうことがあります。海水浴での水没も多くなりますが、汗や海水は塩分を含んでいて基板の腐食や錆の発生スピードが速くなって全損で直せないこともあります。
とにかく水濡れには注意しなくてはなりません。
今回ご紹介のXperia 10 マーク 4 は、プールで遊んでいて壊れてしまったそうです。
水に濡れに気づいてからスマホ本体を見ると、カメラ窓の内側に水滴が付いていて、本体内に水が入ってしまったことが分かったそうです。
その後画面が真っ暗で映らなくなりましたが、バイブの振動があって、起動ができているのは確認できました。
画面が壊れている可能性が高いので画面交換が必要になることをご説明してから修理を承りました。
こちらが今回ご依頼いただいたXperia 10 マーク4です。
起動は確認できていますが画面が映りません。
見えづらいですが、電源ボタンのプラスチック部分がなくなっています。
ここから水が侵入したのかもしれません。
機種の判別はバックパネル下のアルファベットと数字で確認ができます。
Xperiaの文字の下に、SOG07と印字がありました。
SIMトレーは抜いてあります。
SIMトレーを抜いておくと本体内の水分が抜けやすくなり乾燥しやすくなります。
水に濡れたときは完全故障や悪化を防ぐために電源が落とせることができれば電源を落としておきましょう。
まずはバックパネルを取り外します。
両面テープで圧着されているので温めたりエタノールなどで粘着を弱めて取り外します。
本体内に水が残っていました。
SIMトレーを抜いておいてあったので乾燥した分があるのか、水の量は少なくなっていました。
日にちが経過していたのでどれくらいの量の水が入っていたのかはわかりません。
水の量は少ないですが、所々に水滴が見られました。
見えてる水滴を拭き取ったら、通電した状態だと壊れる可能性があるので、バッテリーコネクタを取り外します。
バッテリー上のプラスチックのカバーを外します。
プラスチックカバーは、プラスドライバーで外すことができます。
プラスネジを外したらカバーを下から持ち上げて下に引き抜くようにすると外すことができます。
プラスチックは薄くて弱いので、割らないように注意しながら外します。
カバーを外したらバッテリーコネクタを外すことができます。
右のほうにコネクタはあります。
バッテリーコネクタを外したので通電は止まりました。
次に本体下にあるスピーカーなどの部品を外します。
画面のコネクタはこの部品の下にあります。
こちらもプラスドライバーでネジを外して、スピーカー上とバッテリー下の隙間から持ち上げるようにすると外すことができます。
画面交換をするだけなら、裏側の作業はとりあえず終わりますが、今回は水没をしていて水が残っていたので、基板を外して水滴が残っていないかを確認して乾燥作業も行います。
バッテリーを外して基板も外しました。
バッテリーは両面テープを引き抜くと外れますが、ほとんどの場合、テープは途中で切れてしまいます。
エタノールなどを使用して粘着を弱めて外しました。
基板はそのまま持ち上げて取り外すことができました。
メイン基板は小さいです。
基板と基板下に水が残っていないか確認します。
目に見える水滴は残っていませんが、このまま軽く乾燥します。
水が残っていないことを確認してからバッテリー取り付けて、乾燥だけで直るか確認をしました。
バッテリーコネクタを取り付けて電源を入れましたが、バイブの振動はしますが、画面は真っ暗なままで表示されませんでした。
新しい画面を仮付けして直るかを確認します。
表の画面を外さなくても裏側から新しい画面を取り付けて確認することができます。
裏から画面のコネクタを取り付けて、電源を入れたら画面が表示されました。
新しい画面で表示されないと基板故障の可能性が高くなります。
この状態で操作をして、一通り確認をして問題がなかったので、画面交換で作業を続行しました。
画面仮付け状態です。
画面を取り外す作業画像を撮り忘れてしまいました。
画面は貼り付けられているので、温めたりエタノールを使用して取り外せます。
画面から出ているコネクタは、一つなので、画面をはがせればそのまま取り外すことができます。
取り付けるときも一つのコネクタを本体に通すだけです。
画面を貼り付けたら、組戻になります。
本体下のスピーカー部品を取り付けます。
バッテリーを両面テープで固定したら、基板上のプラスチックカバーを取り付けます。
これで本体内の作業は終わりました。
あとはバックパネルを取り付けるだけなので、専用の両面テープか、他の両面テープで準備をして、準備ができたらバックパネルを貼り付けます。
バックパネルを貼り付けて修理完了となります。
急に壊れてしまうと、バックアップやLINEの引き継ぎなどができていなくて、買い換えることができないという状況になってしまう方が多いです。
画像のデータがバックアップされていないと、データだけでも救いたいという目的の方もおられます。
今回は水濡れでしたが基板故障はなく画面交換だけで直りました。
水濡れはご注意いただき、突然の故障やトラブルに備え、バックアップはこまめにとっておきましょう。
ご自身で分解や修理をする際はご自身の責任でお願いします。
端末故障やおケガなどもご注意ください。
こちらの端末ではありませんが、youtubeにXperia 10 マーク IV の画面交換動画がありますので、こちらも参考にしてください。